公務員残業代は誰に支給?2026年の割増率・計算方法と教員改正を徹底解説
2026年現在、公務員にも残業代は支給される。ただし、国家公務員と地方公務員では根拠となる法律や給与条例が異なり、管理職や公立学校の教員など、一般職とは支給の仕組みが違う職種もある。国家公務員の場合、一般職の職員の給与に関する法律第16条に基づき、通常の時間外勤務には125%、週休日などの勤務には135%、月60時間を超えた部分には150%の割増率が適用される。
一方、地方公務員は地方公務員法第24条を基本として、各自治体の給与条例や規則によって支給条件が定められている。さらに、2025年成立の給特法等改正法により、2026年から公立学校教員の教職調整額も引き上げられた。公務員なら一律に残業代が出るわけではない。誰が対象で、いくら支給され、どのような場合に支給されないのか。2026年10月時点の制度を整理する。
📌 この記事の重要ポイントまとめ
- 国家公務員の残業代: 通常勤務は125%、週休日などは135%、月60時間超の部分は150%が基本。
- 地方公務員の残業代: 地方公務員法第24条に基づき、自治体ごとの給与条例・規則によって支給条件が決まる。
- 残業代が出ないケース: 管理監督職、命令に基づかない在庁時間、公立学校教員などは一般職と異なる扱いになる。
- 残業時間の上限: 国家公務員は原則月45時間・年360時間。特定部署には別の上限が設けられている。
- 2026年の教員処遇改正: 公立学校教員の教職調整額は2026年1月から給料月額の5%に引き上げられた。
【対象者を解説】公務員残業代は誰に支給される?
公務員の残業代は、正式には国家公務員では「超過勤務手当」、地方公務員では一般に「時間外勤務手当」と呼ばれる。
民間企業の残業代と同じように、正規の勤務時間を超えて働いた場合に支給される仕組みだが、公務員の場合は身分や職種、勤務命令の有無によって取り扱いが変わる。
国家公務員の支給対象
国家公務員の一般職については、一般職の職員の給与に関する法律第16条が超過勤務手当の根拠となる。
主な対象は、国の行政機関などに勤務する一般職の職員で、正規の勤務時間を超えて勤務するよう命じられ、その命令に従って実際に勤務した職員だ。
例えば、次のような職員が対象となる。
- 中央省庁の一般行政職員
- 地方出先機関に勤務する一般職員
- 国の行政機関の技術系職員
- その他、一般職給与法の適用を受ける職員
ただし、国家公務員という肩書だけで全員が同じ手当を受けるわけではない。
特別職の国家公務員は別の給与制度が適用される場合があり、管理監督職員等には通常の超過勤務手当が支給されない。
また、非常勤職員についても、採用形態や給与規程によって支給条件が異なる。
地方公務員の支給対象
地方公務員の場合は、都道府県庁、市役所、町村役場などで働く一般職の職員が主な対象となる。
例えば、自治体の窓口業務、福祉行政、土木、建築、税務、一般事務などに従事する職員が、勤務命令に基づいて時間外勤務を行った場合、条例に従って手当が支給される。
ただし、地方公務員は自治体ごとに給与条例が異なるため、支給割合や細かな計算方法まで全国一律ではない。
公務員の種類による違い
特に注意したいのは、一般行政職員、管理職、公立学校教員では制度が異なる点だ。
| 区分 | 主な根拠・制度 | 残業代の扱い |
|---|---|---|
| 国家公務員の一般職 | 一般職給与法第16条 | 命令に基づく超過勤務に支給 |
| 地方公務員の一般職 | 地方公務員法第24条・給与条例 | 条例に従って時間外勤務手当を支給 |
| 管理監督職員 | 管理職手当・管理職員特別勤務手当等 | 通常の時間外勤務手当は原則対象外 |
| 公立学校教員 | 給特法 | 時間外勤務手当は原則不支給。教職調整額を支給 |
大阪府の2026年4月現在の公表資料でも、管理職手当の支給対象となる職員には、時間外勤務手当、休日勤務手当、夜間勤務手当を支給しない取り扱いが示されている。
このように、職名だけで判断せず、適用される給与法令と実際の職務上の区分を確認する必要がある。
【国家公務員の残業代】125%・135%・150%の支給率と計算方法
国家公務員の超過勤務手当を理解するうえで重要なのが、一般職の職員の給与に関する法律第16条と人事院規則9-97だ。
基本的な割増率は、勤務した日や時間帯によって変わる。
国家公務員の超過勤務手当の支給率
一般職の国家公務員に適用される基本的な支給割合は次のとおり。
- 通常の勤務日の時間外勤務:125%
- 週休日・休日などの時間外勤務:135%
- 月60時間を超えた時間外勤務:150%
- 深夜勤務:上記の割合に25%を加算
深夜勤務とは、原則として午後10時から翌日の午前5時までの時間帯を指す。
そのため、深夜の割増率は通常勤務日の時間外勤務なら150%、週休日などなら160%、月60時間を超えた部分なら175%となる。
月60時間超の残業代はどうなる?
月60時間超の割増制度は、長時間勤務に対する追加的な処遇として設けられている。
重要なのは、月60時間を超えた場合、残業時間のすべてが150%になるわけではないという点だ。
例えば、月の時間外勤務が70時間だった場合、基本的には次のように区分する。
- 最初の60時間:通常の支給割合を適用
- 60時間を超えた10時間:150%を適用
深夜に該当する場合は、さらに25%が加算される。
なお、超勤代休時間が指定され、その時間に勤務しなかった場合には、代休に振り替えられた時間に対応する手当の取り扱いが変わる。
公務員残業代の計算方法
国家公務員の超過勤務手当は、基本的に次の計算式で算出する。
超過勤務手当=勤務1時間当たりの給与額×支給割合×超過勤務時間数
勤務1時間当たりの給与額は、一般職給与法第19条に基づいて算出する。
基本的な計算式は次のとおり。
勤務1時間当たりの給与額
=(俸給月額+対象となる地域手当等の月額)×12÷(1週間当たりの勤務時間×52)
地域手当等には、広域異動手当や研究員調整手当などが含まれる。
つまり、単純に基本給だけを月の勤務日数で割って計算するわけではない。
計算例:時給換算額が2,000円の場合
仮に勤務1時間当たりの給与額が2,000円だった場合、割増率ごとの支給額は次のようになる。
- 通常の時間外勤務1時間:2,000円×125%=2,500円
- 週休日などの時間外勤務1時間:2,000円×135%=2,700円
- 月60時間超の時間外勤務1時間:2,000円×150%=3,000円
- 月60時間超の深夜勤務1時間:2,000円×175%=3,500円
例えば、通常勤務日に10時間の時間外勤務をした場合、単純計算では25,000円となる。
ただし、実際の給与計算では、勤務日の区分、勤務時間、深夜時間、代休の指定、端数処理なども考慮される。
給与明細と勤務記録を照合する際は、単純な残業時間の合計だけでなく、支給割合の違いにも注目したい。
【地方公務員の残業代】給与条例によって何が違う?
地方公務員の時間外勤務手当は、国家公務員の制度を参考にしながら、各自治体が定める給与条例や規則によって運用されている。
その根拠となるのが地方公務員法第24条と第25条だ。
地方公務員法第24条が定める基本原則
地方公務員法第24条では、職員の給与は職務と責任に応じたものでなければならないと定められている。
また、第5項では、給与や勤務時間などの勤務条件を条例で定めることとしている。
さらに第25条第3項では、給与条例に時間外勤務手当、夜間勤務手当、休日勤務手当に関する事項を規定することが求められている。
つまり、地方公務員の残業代は、自治体の給与条例が具体的な支給ルールを決める構造になっている。
自治体によって支給率が異なる理由
多くの自治体では、通常の時間外勤務に125%、週休日などに135%、月60時間を超えた部分に150%という仕組みが採用されている。
一方、休日の区分、年末年始の勤務、短時間勤務職員の取り扱い、時間の端数処理などは条例や規則によって違いが生じる。
例えば堺市の職員の時間外勤務手当に関する規則では、通常の時間外勤務に125%、所定の休日以外の週休日等の勤務に135%を適用し、12月29日から翌年1月3日までの対象勤務には150%を適用する規定がある。
月60時間超についても150%の規定が設けられている。
このように、同じ地方公務員でも、勤務先によって細部が異なる。
地方公務員の残業代を調べるときの確認項目
自治体職員が自分の残業代を確認する場合は、次の資料を照合するとよい。
1. 職員の給与に関する条例
2. 給与条例施行規則
3. 勤務時間、休日、休暇等に関する条例
4. 時間外勤務手当の支給に関する規則
5. 勤務命令や勤務時間の管理記録
特に、条例本文だけでなく、支給割合を具体的に定めた人事委員会規則なども確認することが大切だ。
【残業代が出ない理由】公務員でも支給されない4つのケース
公務員の残業代については、「公務員は残業しても残業代が出ない」というイメージが語られることがある。
しかし、一般職の国家公務員については、命令に基づいて実際に超過勤務をした場合、超過勤務手当を支給しなければならない。
人事院も、超過勤務命令に従って勤務した時間については、法律に基づき手当を支給する必要があると説明している。
では、なぜ残業代が支給されないケースがあるのか。
1.超過勤務命令を受けていない場合
公務員の超過勤務手当は、単に職場に長く滞在したという理由だけでは発生しない。
国家公務員の場合、公務のために臨時または緊急の必要があり、正規の勤務時間外に勤務するよう命じられたことが基本的な条件になる。
例えば、次のような場合は判断が分かれる。
- 仕事を終えているのに私的な理由で職場に残っていた
- 自分の判断で勤務時間外に作業していた
- 上司から明確な勤務命令が出ていなかった
- 事前の勤務予定と実際の勤務状況が一致していなかった
ただし、命令が包括的に出されていた場合や、実際の業務指示と勤務管理の間に食い違いがある場合は、個別の事情を確認する必要がある。
2.管理監督職に該当する場合
管理職には、一般職員とは異なる給与制度が適用される。
国家公務員の場合、管理監督職員等には通常の超過勤務手当が適用されない仕組みがある。
その代わり、管理職手当や、一定の条件を満たした休日・深夜勤務に対する管理職員特別勤務手当などが設けられている。
地方公務員でも、管理職手当を受ける職員について時間外勤務手当を支給しない制度を採用している自治体がある。
したがって、管理職だから一切の追加的な処遇がないという理解も正確ではない。
3.公立学校教員の場合
公立学校教員は、一般行政職員とは異なり、給特法による特例が適用される。
通常の時間外勤務手当や休日勤務手当を支給しない代わりに、教職調整額を支給する制度だ。
一般の公務員のように、残業した時間数に125%や150%を掛けて計算する仕組みではない。
この制度は2026年の改正後も基本的に維持されている。
4.超勤代休時間に振り替えられた場合
月60時間を超える時間外勤務については、超勤代休時間という制度がある。
一定の条件の下で、月60時間を超える勤務に対応する時間を代休として指定し、職員がその時間に勤務しなかった場合、対応する超過勤務手当の一部が調整される。
これは残業代の未払いとは異なる。
手当の支給と休息時間の確保を組み合わせた制度であり、給与明細を確認する際には、代休の指定状況も確認する必要がある。
「予算がないから残業代を出せない」は正当な理由になる?
超過勤務命令に基づいて実際に勤務した時間について、予算不足だけを理由に支給義務がなくなるわけではない。
人事院は、勤務命令に従って働いた時間に対する超過勤務手当は支給されなければならないと明示している。
残業時間の管理が適切に行われていない場合には、勤務命令の範囲や実際の業務内容を確認し、支給の必要性を判断することになる。
【残業時間の上限】月45時間・年360時間と人事院規則15-14
公務員の残業代を考える際には、手当の金額だけでなく、時間外勤務の上限規制も理解しておきたい。
国家公務員には、人事院規則15-14による超過勤務命令の上限が設けられている。
国家公務員の基本的な上限
通常の部署に勤務する一般職員については、次の上限が原則となる。
- 月45時間
- 年360時間
一方、他律的業務の比重が高い部署として指定された職員には、別の上限が設定されている。
主な基準は次のとおり。
- 月100時間未満
- 年720時間
- 2か月から6か月の各期間における月平均80時間以内
- 月45時間を超える勤務は年間6か月まで
他律的業務とは、業務量や実施時期などを自分たちの判断だけでは調整しにくい業務を指す。
大規模災害への対応など、特に緊急性の高い特例業務については、一定の例外も設けられている。
ただし、例外が認められる場合でも、超過勤務を必要最小限に抑え、職員の健康確保に配慮しなければならない。
地方公務員にも残業時間の上限がある
地方公務員についても、時間外勤務命令の上限規制が整備されている。
基本的には国家公務員の制度を踏まえ、自治体の条例や人事委員会規則などで上限を定める仕組みだ。
ただし、国家公務員の人事院規則15-14がそのまま全自治体に適用されるわけではない。
地方公務員の場合は、勤務先の条例や規則で具体的な内容を確認する必要がある。
2024年度の地方公務員の残業時間は年間140時間
総務省の「令和6年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査」を基にした厚生労働省の資料では、地方公務員の年間時間外勤務時間数は、対象職員1人当たり全国平均140.0時間だった。
内訳は次のとおり。
- 都道府県:161.2時間
- 指定都市:152.3時間
- 市区町村:128.4時間
ただし、この数値は会計年度任用職員を除き、警察・消防・教育委員会以外の部門に属する一般職員のうち、管理監督職員を除いた集計である。
すべての地方公務員の平均値ではない点に注意したい。
このデータからも、自治体の種類や担当する行政分野によって時間外勤務の状況が異なることが分かる。
【2026年最新】公立学校教員の給特法改正と教職調整額
2026年の公務員残業代制度を語るうえで、特に重要なのが公立学校教員の処遇改善だ。
2025年6月18日に公布された「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律」、いわゆる給特法等改正法によって、教員の給与制度と学校の働き方改革に変更が加えられた。
2026年1月から教職調整額が5%に引き上げ
改正前の教職調整額は、原則として給料月額の4%だった。
今回の改正では、教職調整額を段階的に引き上げ、最終的に10%とする制度が導入された。
2026年10月現在の対象となる公立学校教員の率は5%だ。
今後の引き上げ予定は次のとおり。
- 2025年まで:4%
- 2026年1月~12月:5%
- 2027年1月~12月:6%
- 2028年1月~12月:7%
- 2029年1月~12月:8%
- 2030年1月~12月:9%
- 2031年1月以降:10%
なお、公立幼稚園の教育職員は別の率が適用される。
また、実際の支給額は自治体の条例に基づいて決定される。
なぜ教職調整額を引き上げるのか
公立学校教員には、一般の公務員とは異なる給与制度が適用されている。
給特法では、教員の職務と勤務形態の特殊性を踏まえ、時間外勤務手当や休日勤務手当を原則として支給しない代わりに、教職調整額を支給する仕組みを採用している。
このため、残業が何時間増えても、その時間数に応じて通常の残業代が増える制度ではない。
教職調整額の引き上げは、教員の処遇改善を目的としたものであり、時間外勤務手当制度への全面的な移行ではない。
2026年4月から始まった働き方改革関連の変更
今回の改正は給与面だけではない。
主な変更点は次のとおり。
- 学校における業務量管理と健康確保措置の強化
- 教育委員会による業務量管理の実施体制の整備
- 主務教諭という新たな職の創設
- 学級担任への義務教育等教員特別手当の加算
- 教員の職責や業務負担に応じた処遇の改善
施行日はすべて同じではない。
教職調整額など処遇改善に関する規定は2026年1月1日、学校の業務量管理や組織運営に関する主な規定は2026年4月1日から施行されている。
この違いは、2026年の制度を理解するうえで重要だ。
教員の残業代は2026年から支給されるようになった?
答えは、原則として支給されないままだ。
教職調整額が4%から5%に引き上げられたことは、時間外勤務手当が復活したことを意味しない。
公立学校教員には引き続き給特法が適用され、時間外勤務手当と休日勤務手当は原則不支給となっている。
また、教員に時間外勤務を命じることができる業務は、政令で定める特定の業務、いわゆる「超勤4項目」に限定されている。
具体的には次の4つだ。
1. 生徒の実習に関する業務
2. 学校行事に関する業務
3. 職員会議に関する業務
4. 非常災害など、やむを得ない場合の業務
2026年の改正は教員の処遇改善と働き方改革を進めるものだが、残業時間に応じて個別の残業代を支給する制度への変更ではない。
【未払いの対処法】公務員が残業代を請求するには?
本来支給されるべき超過勤務手当や時間外勤務手当が支給されていない場合、勤務記録と給与明細を照合し、正式な確認を求めることができる。
特に、実際の残業時間と給与計算上の時間に差がある場合は、勤務命令の有無や業務内容を整理することが重要だ。
1.残業時間の証拠を確保する
最初に行いたいのは、実際の勤務時間を客観的に確認できる記録の保存だ。
例えば、次のような資料が役立つ。
- 出退勤システムの記録
- タイムカードや勤務簿
- パソコンのログイン・ログアウト記録
- 業務メールの送受信履歴
- 上司からの業務指示やチャット
- 業務日報や作業記録
- 会議の開催記録
- 給与明細
特に、勤務命令が出された時間と実際に業務を行った時間を照合できる資料が重要になる。
2.上司や人事担当部署に確認する
次に、支給されていないと考える時間について、所属長や人事担当部署に確認する。
確認したい項目は次のとおり。
- その勤務に対して時間外勤務命令が出ていたか
- 実際の勤務時間が正しく記録されているか
- 支給対象となる時間がどのように計算されたか
- 125%、135%、150%などの支給率が正しく適用されたか
- 超勤代休時間などへの振り替えが行われていないか
口頭での説明だけでなく、可能な限り書面やメールで確認内容を残しておくと、後から経緯を整理しやすい。
3.国家公務員は人事院への相談も検討する
国家公務員の場合、人事院には勤務条件や給与に関する苦情相談制度がある。
人事院が公表している相談事例でも、実際の超過勤務時間に対して支給時間が少ない場合の対応が取り上げられている。
まず所属長や所属府省の相談窓口に相談し、それでも解決しない場合は、人事院への相談を検討できる。
また、給与決定に関する不服については、一般職の職員の給与に関する法律第21条に基づく審査申立てという制度もある。
4.地方公務員は人事委員会などに相談する
地方公務員の場合は、自治体の人事課や給与担当部署に確認することが基本となる。
それでも問題が解決しない場合には、自治体の人事委員会や公平委員会などへの相談も選択肢になる。
地方公務員は、職種や自治体の組織によって労働基準監督機関の取り扱いが異なるため、労働基準監督署がすべてのケースで直接の相談先になるとは限らない。
必要に応じて、公務員の給与・労働問題に詳しい弁護士などの専門家に相談する方法もある。
未払いの疑いがある場合は、勤務記録を消失させないことが第一歩だ。 退職後に確認する場合も、在職中から資料を整理しておくことが役立つ。
【よくある質問】公務員残業代に関するFAQ
Q1:公務員の残業代は何%割増で支給されますか?
A1:国家公務員の一般職では、通常の時間外勤務が125%、週休日などの勤務が135%、月60時間を超えた部分が150%となるのが基本です。午後10時から午前5時までの深夜勤務には、さらに25%が加算されます。地方公務員は各自治体の給与条例や規則を確認してください。
Q2:公務員は月60時間を超えると残業代が150%になりますか?
A2:国家公務員の一般職では、原則として月60時間を超えて勤務した部分に150%の支給率が適用されます。60時間以内の部分まで一律に150%になるわけではありません。深夜勤務の場合は175%です。
Q3:公務員でも残業代が出ないことはありますか?
A3:あります。代表例は、管理監督職員、勤務命令に基づかない私的な在庁、公立学校教員などです。ただし、正式な勤務命令に従って働いた一般職員に対して、単に予算不足を理由に手当を支給しないことは認められません。
Q4:公立学校の教員は2026年から残業代が支給されるようになりましたか?
A4:いいえ。2026年の給特法等改正法では教職調整額が引き上げられ、2026年の率は給料月額の5%となりましたが、通常の時間外勤務手当と休日勤務手当は引き続き原則不支給です。
Q5:公務員の残業時間は月45時間までですか?
A5:国家公務員は通常の部署では月45時間・年360時間が原則です。他律的業務の比重が高い部署などには別の上限があります。地方公務員についても上限規制がありますが、具体的な規定は自治体の条例や規則によって確認する必要があります。
まとめ:公務員残業代は職種・勤務命令・条例の確認が重要
2026年の公務員残業代制度を整理すると、国家公務員の一般職には法律に基づく超過勤務手当があり、通常勤務125%、週休日など135%、月60時間超150%という支給率が基本となっている。
地方公務員については、地方公務員法第24条・第25条を根拠に、各自治体の給与条例や規則によって時間外勤務手当の詳細が決まる。
一方、管理監督職員や公立学校教員などには特別な給与制度が適用されるため、一般職員と同じ計算方法で残業代を判断することはできない。
特に2026年の教員処遇改正では、教職調整額が5%に引き上げられたものの、個別の時間外勤務手当が支給される制度に変わったわけではない点が重要だ。
公務員の残業代を正しく把握するためには、次の3点を確認したい。
- 自分の職種に適用される給与法令や条例
- 時間外勤務命令と実際の勤務記録
- 支給割合、月60時間超の割増、代休制度の適用状況
公務員だから残業代が出ないという理解は正確ではない。 支給対象となる勤務をした一般職員には、法律や条例に基づく手当が支給される。2026年の制度を確認する際も、職種と勤務条件を切り分けて判断することが、未払いの見落としや誤解を防ぐポイントとなる。
主な根拠資料: 人事院の超過勤務手当制度資料・勤務条件に関する相談事例、e-Gov法令検索、文部科学省の給特法等改正資料、総務省の地方公共団体勤務条件調査、各自治体の給与条例・規則。 (出典: 公務員 残業 代(Yahoo!ニュース))