【2026年最新】カメムシ大量発生の地域と注意報・警報の状況
2026年も果樹カメムシ類の発生が問題になっています。
農林水産省が公表した2026年10月14日現在の資料では、果樹カメムシ類の注意報・警報の発表回数は50件、31府県に達しました。このうち警報は1件です。
2023年から2026年までの発表回数を比較
| 年 | 注意報・警報の発表回数 | 状況 |
|---|---|---|
| 2022年 | 27件 | 比較的多い年 |
| 2023年 | 13件 | 少なめ |
| 2024年 | 61件 | 3件の警報を含む |
| 2025年 | 18件 | 前年から大幅減少 |
| 2026年 | 50件 | 10月14日現在。警報1件 |
この推移から、カメムシの発生が毎年右肩上がりになっているわけではないことが分かります。
2024年の61件に対して2025年は18件まで減少しましたが、2026年は再び50件に増えています。
2026年に注意報・警報が目立つ地域
2026年10月15日時点の農林水産省の全国発生動向では、地域ごとに発生状況に差が見られます。
特に注意したい地域は次のとおりです。
- 関東: 千葉県では温州ミカンの発生動向が「多」とされ、10月15日には注意報も記載されています。
- 東海: 静岡県ではカンキツ・落葉果樹で発生が「多」とされ、10月1日に警報が発表されました。愛知県、岐阜県、三重県でも発生が多い状況です。
- 近畿: 滋賀県、奈良県、和歌山県などで発生が「多」とされています。
- 中国・四国: 岡山県では発生が「多」、鳥取県や徳島県、香川県などでも注意が必要な状況です。
- 九州: 福岡県では前年比で発生が多く、各県の予察情報に基づいた対応が求められています。
また、千葉県は2026年10月23日にも、カンキツやカキなどへの果樹カメムシ類の飛来に注意を促す発生情報を公表しています。秋の段階でも果樹園への飛来リスクが残っていることを示す事例です。
2026年はなぜ発生が多いのか
農林水産省が2026年8月5日に出した防除徹底の通知では、複数の県で越冬量が平年より多かったこと、春先から全国的に気温が高かったことが説明されています。
特に5~7月の前期には、西日本を中心に越冬世代の果樹園への飛来が平年より多く確認されました。
さらに、7月31日時点で21府県が発生量を「やや多い~多い」と報告していました。
夏以降は、スギ・ヒノキの球果の結実量が重要になります。
- 球果が豊富な場合:山林で増殖し、餌が不足した段階で果樹園に移動するリスクがある。
- 球果が少ない場合:餌が早く枯渇し、果樹園への飛来が早まる可能性がある。
- 越冬個体が多く高温の場合:新世代の増殖や活動が活発になり、飛来量がさらに増える可能性がある。
つまり、2026年も単純に気温だけで判断できず、越冬密度と球果の豊凶を組み合わせて考える必要があります。
注意報と警報は何が違う?
農林水産省の定義では、注意報と警報には明確な違いがあります。
- 注意報: 重要な病害虫の多発が予測され、早めの防除が必要な場合に発表される。
- 警報: 重要な病害虫の大発生が予測され、早急な防除が必要な場合に発表される。
注意報が出ているからといって、必ずしも住宅周辺で大量発生しているわけではありません。また、警報がない地域でも局地的に飛来が増える場合があります。
家庭での侵入対策を考える場合は、果樹カメムシ類の注意報だけでなく、市町村の生活衛生情報や地域の発生状況も確認してください。
【実践対策】カメムシの駆除方法と住宅・農作物の予防策
カメムシの大量発生に直面した場合、最も効果的なのは、侵入してから駆除することよりも、住宅や農地に近づけない環境をつくることです。
家庭と農業では対策が異なるため、それぞれ整理します。
住宅への侵入を防ぐ5つの方法
秋のカメムシは、寒さを避けて越冬できる場所を探します。
住宅は外壁や窓周辺に日光が当たるため、暖かい場所を求めるカメムシが集まりやすくなります。
春日市の生活環境情報によると、カメムシは2~3mm程度の隙間からでも住宅に侵入することがあります。窓や換気口などの点検が欠かせません。
1. 網戸と窓の隙間をふさぐ
網戸の破れ、サッシの隙間、窓枠の劣化を確認します。隙間用テープなどで侵入経路を減らしましょう。
2. 洗濯物の外干しに注意する
取り込む前に衣類の表裏を確認し、軽く払います。発生が多い時期は室内干しが効果的です。
3. 換気口や給排気口を点検する
防虫網が破れていないか確認します。通気を妨げない適切な防虫部材を設置しましょう。
4. 夜間の照明を見直す
不要な屋外照明を減らし、必要な照明は紫外線を抑えた防虫用ランプなどを検討します。
5. 住宅周辺の草木を管理する
雑草やカメムシが集まりやすい植物を適切に管理し、建物周辺の環境を整えます。
室内に侵入したカメムシの安全な駆除方法
室内で見つけた場合、最初に避けたいのが、慌てて叩き潰すことです。
カメムシは刺激を受けると臭いの強い分泌物を出します。手や衣類、家具に臭いが付着することもあります。
おすすめの対処法は次の3つです。
方法1:紙やガムテープで捕獲する
カメムシを刺激しないよう、紙や粘着テープを利用してそっと包み込みます。捕獲後は密閉して処分します。
方法2:カメムシ専用の殺虫剤を使用する
市販のカメムシ専用スプレーを使用します。使用場所や換気方法など、製品の表示に従ってください。
方法3:冷却タイプのスプレーを使う
殺虫成分を含まない冷却タイプの製品も選択肢になります。ただし、製品によって効果や使用できる場所が異なります。
なお、掃除機で吸い込む方法はおすすめできません。排気によって臭いが広がり、掃除機内部にも臭いが残る可能性があります。素手で触ったり、潰したりすることも避けてください。
果樹農家が実施したいカメムシ対策
果樹カメムシ類は、家庭での不快害虫というだけではありません。
農業では、果実の吸汁によって商品価値や収穫量が低下する深刻な問題につながります。
特に被害を受けやすい作物は次のとおりです。
- ナシ:吸汁による果実のへこみや変形
- モモ:果実の変形や落果
- カキ:吸汁による品質低下
- リンゴ:果実表面の変形や品質低下
- ミカン:吸汁による果実の商品価値の低下
農林水産省が推奨する基本的な防除方法は以下のとおりです。
防虫ネット・多目的防災網
果樹園をネットで覆い、カメムシが果実に接近するのを防ぎます。破れや隙間の点検も欠かせません。
果実への袋掛け
ナシやブドウなどの有袋栽培では、適切な時期に袋掛けを行います。果実が大きくなって袋に密着する場合には注意が必要です。
園地の定期的な観察
一部の樹木だけでなく園地全体を確認し、飛来の初期段階で被害を把握します。
適期の薬剤防除
飛来を確認した場合は、作物に登録された農薬を使用基準に従って散布します。活動が活発になる夕方の防除も検討します。
農薬は同じ系統を繰り返し使用すると、天敵への影響などからハダニ類やカイガラムシ類が増えるおそれもあります。使用回数や収穫前日数などを守り、地域の病害虫防除所の指導に従うことが重要です。
水稲のカメムシ被害は別の対策が必要
果樹カメムシ類と混同されやすいのが、斑点米カメムシ類です。
こちらは水田周辺の雑草などに生息し、稲が出穂すると水田に侵入して穂を加害します。
玄米に黒色や茶色の斑点が生じ、米の品質や等級に影響します。
2026年8月5日の農林水産省の発生予報では、東北、関東、甲信、北陸、東海、近畿、中国、四国、北九州の一部で斑点米カメムシ類の発生が多くなると予想されました。
水田では、出穂期を中心とした観察、畦畔や周辺雑草の適切な管理、地域の予察情報に応じた防除が基本です。
家庭で見かけるクサギカメムシへの対策と、水田での斑点米カメムシ類への防除は、分けて考える必要があります。
【よくある質問】カメムシ大量発生2023に関するFAQ
Q1:2023年にカメムシが大量発生した最大の原因は何ですか?
A1:主な背景は、スギ・ヒノキの球果の豊作と夏の高温です。餌が増えたことで繁殖が進み、秋には越冬場所を探す個体が住宅周辺に集まりました。さらに2023年12月~2024年2月の暖冬は、翌春まで生き残る個体の増加に影響しました。
Q2:2026年もカメムシは大量発生していますか?
A2:はい。農林水産省の2026年10月14日現在の集計では、果樹カメムシ類の注意報・警報は50件、31府県で発表されています。警報は1件です。静岡県などでは秋以降も警戒が続いています。
Q3:カメムシが家に大量に入ってくるのはなぜですか?
A3:秋になると越冬場所を探して住宅に集まるためです。窓枠、網戸、換気口などの2~3mm程度の隙間から侵入することがあります。隙間テープ、防虫網、室内干しなどで予防しましょう。
Q4:カメムシが多い年は翌年も大量発生しますか?
A4:必ずしもそうではありません。前年の個体数だけでなく、冬の気温、翌年の球果の豊凶、降雨や天敵などによって発生量は変わります。年ごとの発生予察情報を確認することが大切です。
Q5:カメムシを見つけたら潰しても大丈夫ですか?
A5:おすすめできません。刺激すると悪臭を放つため、紙や粘着テープでそっと捕獲するか、専用の殺虫剤を使用してください。掃除機で吸い込むことも避けましょう。
まとめ:カメムシ大量発生は気象と餌の変化を見て対策する
2023年のカメムシ大量発生は、スギ・ヒノキの球果の豊作、記録的な高温、秋の越冬移動などが重なった現象でした。
特に石川県ではクサギカメムシが例年の約4倍確認され、鳥取県の日南町でも住宅の内外に大量飛来する様子が報じられました。
2026年も、農林水産省の集計で31府県に注意報・警報が発表されており、地域によっては秋以降も警戒が必要です。
今後の発生状況を判断するうえで、押さえておきたいポイントは3つあります。
- 気象条件: 夏の高温や暖冬が繁殖・越冬にどう影響するか。
- 餌の豊凶: スギ・ヒノキの球果がどれだけ結実し、いつ不足するか。
- 地域別の予察情報: 農林水産省や都道府県の病害虫防除所がどのような注意報・警報を出しているか。
カメムシは発生する地域や時期によって対策が変わります。住宅では侵入経路をふさぎ、農業では地域の予察情報に基づいて早期防除を行うことが基本です。
2023年の大量発生を単なる一時的な虫害として捉えるのではなく、気象・森林環境・越冬の関係を理解することが、2026年以降の被害を減らすための重要な判断材料になります。
主な参考資料:農林水産省「カメムシ類の防除」「令和8年の果樹カメムシ類の注意報・警報発表状況」「果樹カメムシ類の発生動向」、気象庁「2023年の日本の天候」、石川県・鳥取県の病害虫関連情報、北陸放送の2023年11月18日付報道。 (出典: カメムシ 大量発生 2023(Yahoo!ニュース))