【駆除実績を徹底検証】歌舞伎町ネズミ1154匹の正体と毒餌箱207か所の成果
歌舞伎町のネズミ問題を語るうえで、最も注目される数字が「1,154匹」だ。
この数字は、新宿区が実施した令和6年度の繁華街ねずみ対策で公表した推定致死数である。実際の作業内容を確認すると、単に毒餌を置いて終わりというものではなかった。
2025年の一斉駆除で207か所に毒餌箱を設置
新宿区の公式調査資料によると、一斉駆除の実施内容は次のとおりだ。
- 設置期間:2025年1月15日~3月13日
- 毒餌箱の設置数:207か所
- 点検回数:8回
- 点検間隔:約1週間
- 毒餌の喫食量:57,720g
- 推定致死数:1,154匹
設置場所の内訳は、歌舞伎町一丁目が101か所、二丁目が89か所、新宿五丁目の一部が17か所だった。
特に興味深いのは、毒餌の消費量が多かった場所の特徴である。
新宿区の調査では、各エリアで喫食量・喫食率が高かった上位5か所は、すべて建物のごみ置き場付近だった。
つまり、ネズミの活動が活発だった場所と、ごみの管理に課題があった場所には明確な関連が見られた。
1,154匹は実際に回収した死骸の数ではない
ここは誤解されやすいポイントだ。
1,154匹という数字は、毒餌の喫食量から算出された推定致死数であり、業者が死骸を1,154匹回収したという意味ではない。
毒餌箱を設置し、一定期間ごとに食べられた量を確認することで、ネズミの出現状況や駆除効果を推計したものだ。
したがって、1,154匹という数字をそのまま歌舞伎町に生息していたネズミの総数と解釈することもできない。
以前の駆除実績と比較すると何が分かる?
歌舞伎町では、2023年度にも一斉駆除が実施されている。
2024年1月4日から2月29日までの55日間、毒餌箱204か所を設置し、8回の点検を実施。殺鼠剤の喫食量から、少なくとも688匹の致死数が推定された。
このとき、実際に委託業者や区役所が回収した死骸は50匹だった。
| 比較項目 | 2023年度の実施 | 2024年度の実施 |
|---|---|---|
| 実施期間 | 2024年1~2月 | 2025年1~3月 |
| 毒餌箱 | 204か所 | 207か所 |
| 点検回数 | 8回 | 8回 |
| 毒餌喫食量 | 34,378g | 57,720g |
| 推定致死数 | 少なくとも688匹 | 1,154匹 |
| 実際の死骸回収数 | 50匹 | 公表資料に記載なし |
2回の実績を見ると、後の調査で推定致死数が増えている。
ただし、これだけでネズミの生息数が増加したと断定することはできない。設置場所や餌の消費状況、調査時期などの条件も考慮する必要がある。
重要なのは、複数年にわたる調査で、毒餌箱の周辺環境やごみ置き場との関係が具体的に把握されたことだ。
【2026年最新】歌舞伎町のネズミは現在どうなっている?
2026年10月30日時点で、新宿区が公開している最新の屋外ねずみ対策ページは、2026年9月18日更新となっている。
このページでは歌舞伎町地区の令和5・6年度の事業結果が引き続き掲載されている。一方、2026年に歌舞伎町全域で実施した新たな一斉駆除の個体数や、生息数の最新推計値は掲載されていない。
2026年の新宿区は駆除から環境改善へ
2026年2月5日の新宿区長記者会見では、これまで3年間にわたって実施してきた一斉駆除と生息状況調査の結果が説明された。
その中で、区が特に重視したのが、駆除後の再発問題だった。
「一斉駆除は一時的に数を減らすことができるものの、時間の経過とともに再び増加するため、継続的な効果は見込めないことがわかりました。」
出典:新宿区・2026年2月5日定例記者会見、区長説明要旨。
これは歌舞伎町のネズミ問題を考えるうえで重要な転換点だ。
毒餌を設置すれば、その時点で活動しているネズミを減らすことはできる。しかし、餌となる生ごみが残り、巣穴や隠れ場所が維持されていれば、再びネズミが集まる可能性がある。
そこで新宿区は、2026年度の屋外ねずみ対策として、次の施策を打ち出した。
- ねずみ対策に関する正しい知識の普及啓発
- ねずみの発生が顕著なエリアの事業者への環境改善の働きかけ
- 専門業者による生息状況の調査・分析
- 発生原因となっている施設への改善指導
- 周辺住民や事業者への対策方法の周知
2026年度の予算額は1,452万円(14,520千円)。前年度予算額は1,452万7,000円だった。
東京都全体の相談件数も確認
歌舞伎町だけの数字ではないが、東京都保健医療局が公表した2025年度のネズミ類に関する相談件数は、都内全体で7,223件だった。
これは都内の区市町村や保健所などに寄せられた相談の合計であり、ネズミの生息数や駆除数ではない。
また、歌舞伎町単独の相談件数を示す数字でもない。都市部のネズミ問題を考える際には、相談件数と実際の生息数を区別する必要がある。
2026年は、駆除の数字だけで成果を判断するのではなく、ごみの管理や巣穴の封鎖によって、再びネズミが集まらない環境を作れるかが焦点になっている。
【再発防止策を解説】歌舞伎町のネズミ駆除に必要な5つの対策
ネズミを一時的に減らすことと、長期的に生息しにくい街を作ることは別の課題だ。
新宿区の公式資料から読み取れる再発防止策を5つに整理する。
1. 生ごみを密閉容器で管理する
最も基本的なのが餌を与えないことだ。
生ごみを袋のまま路上に置くと、ネズミが袋をかじって中身を食べる可能性がある。
新宿区は、ロック機能のあるふた付きごみ箱や密閉容器の使用を推奨している。
2. ごみの排出から回収までの時間を短くする
ごみ箱を設置していても、回収まで長時間放置されていれば餌場になり得る。
飲食店やビル管理者には、排出時間の調整や保管場所の管理が求められる。
3. 巣穴や建物の亀裂を塞ぐ
ドブネズミは地面の穴や建物の隙間を利用する。
新宿区は、植え込みなどで確認された巣穴やコンクリートの割れ目、建物同士の開口部を塞ぐ対策を案内している。
4. 段ボールなど巣の材料を放置しない
紙くず、段ボール、ビニール袋、布切れなどはネズミの巣作りに利用される。
ごみ置き場や建物周辺に不要物を積み上げないことも重要だ。
5. 地域全体で継続的に対策する
一店舗だけが清掃しても、隣接する建物のごみ置き場に餌があれば、ネズミが移動してくる可能性がある。
飲食店、ビル管理会社、商店会、自治体が協力し、地域単位で対策する必要がある。
これらの方法は、新宿区が2026年9月18日更新の屋外ねずみ対策ページで示している内容とも一致する。
個人や店舗がネズミを発見した場合の相談先
新宿区健康部・衛生課(新宿区保健所)
環境衛生係:03-5273-3841
屋外のドブネズミに関する相談窓口
新宿区では、敷地内に巣穴がある場合の管理者向け相談や、町会・自治会・商店会など地域単位での調査・改善提案を行っている。
敷地内に巣穴がある場合には、専門業者による現地確認や改善提案を受けられる場合がある。殺鼠剤を投入して巣穴を塞ぐ対応も案内されているが、建物の規模などによって対象外となる場合がある。
毒餌箱やネズミの死骸を見つけても、むやみに触ったり、独自に毒餌を追加したりすることは避けたい。管理者や区の担当窓口に相談するのが適切だ。
【プロの結論】歌舞伎町のネズミ問題は駆除数より環境改善が重要
歌舞伎町のネズミ問題を調査資料から読み解くと、単純な害獣駆除だけでは解決しない構造が見えてくる。
特に重要なのは、次の3つの視点だ。
第一に、1,154匹という数字の意味を正しく理解すること。
これは2025年の一斉駆除で毒餌の喫食量から推定された致死数であり、歌舞伎町の総生息数ではない。数字の大きさだけを見て、地域全体のネズミが何匹いるかを判断することはできない。
第二に、ネズミの餌場と巣穴をセットでなくすこと。
新宿区の調査では、毒餌の喫食量が多い地点と建物のごみ置き場との関係が確認された。駆除だけでなく、餌を与えない環境と巣を作らせない環境を整えることが必要だ。
第三に、行政だけでなく事業者の協力が不可欠であること。
繁華街では、飲食店やビル管理会社など複数の主体が同じ地域で活動している。一つの施設だけで対策しても、周囲の環境が変わらなければ効果が限定される。
2026年度の新宿区の方針が、専門業者による原因分析や施設への改善指導に重点を置いているのは、こうした課題を踏まえたものだ。
【歌舞伎町のネズミ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:歌舞伎町のネズミは本当に1,154匹も駆除されたの?
A1:新宿区は2025年の一斉駆除について、毒餌箱207か所の喫食量から1,154匹の推定致死数を公表している。死骸を1,154匹回収したという意味ではない。
Q2:2026年現在も歌舞伎町にネズミはいる?
A2:2026年9月更新の新宿区資料には、歌舞伎町地区の過去の駆除実績と対策方法が掲載されている。ただし、2026年10月時点で歌舞伎町全域の最新生息数を示す公式統計は確認できない。
Q3:歌舞伎町の路上にいるネズミはドブネズミ?
A3:新宿区によると、屋外で見かけるネズミのほとんどはドブネズミ。建物内部や天井裏などではクマネズミが問題になることもあり、種類によって対策が異なる。
Q4:新宿区はネズミを無料で駆除してくれる?
A4:区は相談や専門業者による調査・改善提案を行っている。すべての個人や建物に対して無条件で無料駆除を実施する制度ではないため、対象条件を環境衛生係に確認する必要がある。
Q5:歌舞伎町のネズミを減らすには何が一番重要?
A5:新宿区が重視しているのは、ごみの適正管理と巣穴を作らせない環境整備だ。ふた付き容器の使用、ごみの放置防止、巣穴や建物の隙間の封鎖を地域全体で継続することが重要になる。
まとめ:歌舞伎町のネズミ問題は2026年から新たな段階へ
歌舞伎町のネズミが目立つ背景には、飲食店から出る生ごみ、不適切なごみの排出、巣穴を作りやすい建物周辺の環境がある。新宿区の2025年の一斉駆除では、毒餌箱207か所を設置し、1,154匹の推定致死数が公表された。

しかし、3年間の調査を通じて明らかになったのは、一斉駆除だけでは長期的な効果を維持しにくいという現実だった。
2026年度は1,452万円の予算を計上し、専門業者による調査、事業者への改善指導、地域への啓発を進める方針が示されている。今後の焦点は、ネズミを何匹駆除できたかだけではなく、生ごみや巣穴を減らし、再び増えにくい環境を作れるかどうかにある。
歌舞伎町の衛生環境を改善するには、行政、飲食店、ビル管理者、地域住民がそれぞれの役割を果たすことが欠かせない。2026年以降の対策が実際の目撃状況や生息環境の改善につながるか、継続的な検証が求められる。 (出典: 歌舞 伎町 ネズミ(Yahoo!ニュース))