【宮城野部屋の受け入れ】伊勢ヶ濱部屋はどう変わったのか
伊勢ヶ濱部屋の現在を理解するうえで、宮城野部屋の受け入れは避けて通れない出来事だ。2024年から2026年にかけて、伊勢ヶ濱部屋は所属力士の構成そのものが変わる大きな転換を経験した。

2024年:宮城野部屋の力士全員を預かる決定
発端となったのは、元横綱・白鵬が師匠を務めていた宮城野部屋で発覚した北青鵬の暴力問題だ。
2024年2月23日の日本相撲協会理事会で、宮城野親方(元横綱・白鵬)の監督責任などが問題となった。同年3月28日、協会は宮城野部屋の親方と力士ら全員を伊勢ヶ濱部屋に預けることを決定。4月から実施された。
この措置は、単純な部屋同士の合併ではなかった。宮城野部屋の再建を見据えながら、力士の稽古環境と指導体制を伊勢ヶ濱部屋で確保するための預かり措置だった。
2025年:元横綱・白鵬が協会を退職
2025年6月、宮城野親方だった元横綱・白鵬が日本相撲協会を退職した。これにより、宮城野部屋を元の形で再建するための状況も変化した。
一方、同じ2025年6月9日には、元横綱・旭富士が宮城野の年寄名跡を継承。旧伊勢ヶ濱親方が宮城野親方となり、照ノ富士が伊勢ヶ濱部屋の師匠となった。
ここで混同しやすいのが、元横綱・白鵬と元横綱・旭富士の立場だ。前者は協会を退職した元宮城野親方、後者は現在も協会に在籍する宮城野親方である。両者は別人であり、宮城野という年寄名跡を引き継いだのは旭富士だ。
2026年5月:宮城野部屋が正式に消滅
2026年5月28日、日本相撲協会は宮城野部屋の伊勢ヶ濱部屋への預かり措置を解除し、旧宮城野部屋の力士ら全員を正式に伊勢ヶ濱部屋所属とすることを決定した。
協会が示した主な理由は、預かり開始から2年以上が経過したこと、元宮城野親方の退職から1年が経過すること、そして宮城野部屋の再興を希望する親方からの申請がなかったことだ。
これによって宮城野部屋は消滅し、所属力士は正式に伊勢ヶ濱部屋の一員となった。伯乃富士、寿之富士、炎鵬ら、旧宮城野部屋で育った力士も現在の伊勢ヶ濱部屋を構成する重要な戦力だ。
この経緯を整理すると、2024年は一時的な預かり、2025年は旧宮城野親方の退職、2026年は正式な所属変更という3段階を経ている。2026年九州場所の関取10人という数字は、こうした組織再編の結果として生まれたものでもある。
【照ノ富士親方の現在】指導体制と2026年の処分問題
元横綱・照ノ富士が師匠になった伊勢ヶ濱部屋は、競技面では大きな成果を挙げている。一方、2026年には指導者としての責任が問われる問題も起きた。
2026年4月、伯乃富士への暴力問題で処分
2026年2月下旬、伊勢ヶ濱親方が弟子の伯乃富士に暴力を振るった問題が明らかになった。親方は2月23日に自ら日本相撲協会のコンプライアンス部門へ報告し、翌24日に事情聴取を受けた。
4月9日、日本相撲協会は臨時理事会で処分を決定。伊勢ヶ濱親方は委員待遇年寄から年寄へと2階級降格となり、3か月間の報酬10%減額が科された。
一方、伯乃富士についても、知人女性への不適切行為が問題となり、理事長による厳重注意を受けている。親方の暴力行為と弟子の不適切行為は、それぞれ別の問題として処分された。
協会側は、親方の行為が単発的で常習性がなかったことや、本人が速やかに報告したことなどを処分判断の際に考慮したと説明している。ただし、指導する立場の親方による暴力が問題であることに変わりはない。
今回の件では師匠の交代や部屋の閉鎖には至らず、照ノ富士は引き続き10代伊勢ヶ濱として部屋を率いている。2026年10月現在、日本相撲協会の部屋紹介でも師匠として掲載されている。
今後の伊勢ヶ濱部屋に求められるもの
照ノ富士は現役時代、度重なるけがや大関からの陥落を経験しながら、横綱まで上り詰めた力士だ。その経験は、故障や不調を抱える弟子の指導に生かせる可能性がある。
一方で、強い部屋を維持するためには、厳しい稽古だけでなく、弟子が安心して競技に集中できる環境づくりも欠かせない。
2026年の伊勢ヶ濱部屋を評価する際には、関取10人という競技成績だけでなく、指導体制の透明性や再発防止への取り組みも重要な観点となる。横綱経験者が師匠を務めるからこそ、相撲の技術と組織運営の両面で信頼を築けるかが問われている。
【伊勢ヶ濱部屋の現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在、伊勢ヶ濱部屋の関取は何人いますか?
A1:2026年九州場所の番付では10人です。内訳は幕内7人、十両3人。同一部屋の関取10人は1996年初場所の二子山部屋以来、約30年ぶりの記録です。
Q2:現在の伊勢ヶ濱部屋の師匠は誰ですか?
A2:第73代横綱・照ノ富士です。2025年6月9日に10代伊勢ヶ濱を襲名し、部屋を正式に継承しました。元横綱・旭富士は現在、宮城野親方として部屋付きの親方を務めています。
Q3:宮城野部屋は現在どうなっていますか?
A3:2026年5月28日に伊勢ヶ濱部屋への預かり措置が解除され、旧宮城野部屋の力士全員が正式に伊勢ヶ濱部屋所属となりました。宮城野部屋は消滅しています。
まとめ:伊勢ヶ濱部屋の今後を見極める3つのポイント
2026年の伊勢ヶ濱部屋は、照ノ富士が師匠を務める新体制のもと、関取10人という約30年ぶりの記録を達成した。熱海富士と義ノ富士の三役、尊富士や錦富士の幕内での戦い、伯乃富士の巻き返し、嵐富士の新入幕、旭富士の新十両昇進と、見どころは多い。
また、宮城野部屋の正式な所属変更によって、部屋の歴史と所属力士の構成にも大きな変化が生まれた。旧宮城野部屋出身の力士と、従来の伊勢ヶ濱部屋の力士が同じ組織で競い合う環境は、今後の育成にも影響するだろう。
今後の動向を見る際には、次の3点を押さえておきたい。
- 競技面:熱海富士や義ノ富士が大関を狙える成績を残せるか。
- 育成面:嵐富士や旭富士に続く新たな関取が誕生するか。
- 組織面:照ノ富士が指導体制を整え、信頼される部屋運営を実現できるか。
伊勢ヶ濱部屋は、単に関取の人数が多い相撲部屋ではない。清瀬川から続く旧部屋の歴史、安治川部屋からの再興、旭富士と照ノ富士による継承、そして宮城野部屋の受け入れという複数の転換点を経て現在の姿に至っている。
2026年九州場所は、10人の関取がそれぞれの目標に挑む舞台となる。記録的な大所帯を、次の横綱や大関を生み出す育成力へとつなげられるか。照ノ富士体制の真価は、これからの土俵で試される。 (出典: 伊勢 ヶ 濱(Yahoo!ニュース))