【厚生労働省CLASSⅠ指定の理由】死亡事故がなくても最高危険度になったのはなぜ?

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【厚生労働省CLASSⅠ指定の理由】死亡事故がなくても最高危険度になったのはなぜ?
【厚生労働省CLASSⅠ指定の理由】死亡事故がなくても最高危険度になったのはなぜ?
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この騒動で特に誤解を招いたのが、厚生労働省による「CLASSⅠ」の指定です。

CLASSⅠとは、食品を食べることで重篤な健康被害、または死亡の原因となる可能性が高い場合に適用される、食品リコール制度上の最高危険度区分です。

ここで押さえておきたいのは、CLASSⅠは実際に死亡者が出たことを示す認定ではないという点です。

食品リコールのCLASSⅠ・Ⅱ・Ⅲの違い

厚生労働省の食品等リコール報告制度では、健康被害の可能性に応じて次の3段階に分類されます。

区分危険度の考え方代表的な例
CLASSⅠ重篤な健康被害や死亡につながる可能性が高い腸管出血性大腸菌汚染食品、ボツリヌス菌汚染食品、有毒魚など
CLASSⅡ重篤な健康被害につながる可能性が低い一般細菌数や大腸菌群などの規格不適合
CLASSⅢ健康被害につながる可能性がほとんどない健康被害の可能性がほぼない添加物の使用基準違反など

今回のマフィンがCLASSⅠに指定された背景

2023年11月16日付の報道によると、今回のマフィンは健康被害の申し出があり、異臭や糸引きなど食品の異常も報告されていたことから、CLASSⅠに分類されました。

J-CASTニュースの取材では、目黒区保健所の担当者が、厚生労働省と調整したうえで分類を設定したと説明しています。

つまり、検査によって死亡につながる毒素や特定の食中毒菌が確認されたからCLASSⅠになった、という説明は正確ではありません。

当時の健康被害の申し出や食品の状態を踏まえ、重大な危害を防ぐためのリスク管理として分類されたものです。

CLASSⅠ指定を見た人が誤解しやすい3つのポイント

- CLASSⅠだから死亡者が出た、というわけではない。
- CLASSⅠだからすべての商品に同じ程度の異常があった、というわけではない。
- 後日、食中毒菌が検出されなかったとしても、当初の回収判断が無意味になるわけではない。

食品リコール制度は、被害が確定してから動く仕組みではありません。疑わしい食品が消費者の手元に残っている段階で、危険を取り除くことにも大きな意味があります。

【糸引きマフィンの腐敗原因】納豆のような臭いと粘りはなぜ発生した?

今回の騒動では、単に味がおかしいという苦情だけではなく、マフィンが糸を引くという異常が注目されました。

食品が糸を引いたり、納豆のような臭いを発したりする現象には、微生物の増殖が関係している場合があります。

ただし、今回のマフィンから何の微生物が増殖したのかは、保健所の調査で特定されていません。

微生物の専門家が指摘したバチルス属の可能性

一般社団法人日本食肉加工協会の食肉科学技術研究所で微生物検査を担当する岡本武氏は、2024年に公開した専門コラムで、今回の糸引きについてバチルス属の増殖が疑われると解説しています。

バチルス属の細菌には、芽胞と呼ばれる耐久性の高い状態を形成するものがあります。

その一部は加熱に対して強く、焼成後も生き残る可能性があります。さらに、温度が下がった後でも、条件が整えば発芽して増殖することがあります。

特に重要なのは次の条件です。

- 温度: 微生物が増殖しやすい温度で長時間保存されること。
- 時間: 製造から販売までの期間が長くなること。
- 水分活性: 微生物が利用できる水分が多いこと。
- pH: 食品の酸性・アルカリ性の状態。
- 酸素: 微生物の種類によって増殖に必要な酸素条件が異なること。

同研究所は、今回の事例で特定の細菌が検出されたと述べているわけではありません。あくまで糸引きや異臭から考えられる微生物学的な可能性を説明しています。

無添加・砂糖控えめの商品は保存管理が重要

今回の販売店は、砂糖の使用量を市販の焼き菓子より少なくし、防腐剤や添加物を使用しないことを商品の特徴として紹介していました。

こうした商品設計そのものが危険というわけではありません。

しかし、砂糖や塩分には食品中の水分活性を下げ、微生物が増殖しにくい環境をつくる働きがあります。

そのため、砂糖の使用量を減らした食品では、配合や水分量によって保存性が変わります。

食肉科学技術研究所の岡本氏も、砂糖の使用量が少ない場合には水分活性が十分に低下せず、常温保存によって微生物が増殖した可能性を指摘しています。

5日間の製造と保存温度をめぐる問題

製造工程についても注目すべき点があります。

2023年11月の報道によれば、販売店はイベント用のマフィンを1人で5日間にわたって製造していたと説明していました。

また、当時のSNS投稿では、保管場所を18度以下に保っていたと説明する一方、外気温の影響で一部の商品が傷んだ可能性にも触れていました。

一方、目黒区保健所への取材を掲載した弁護士ドットコムニュースは、保健所側の説明として、イベントの5日前から製造を始め、常温で保存していたと報じています。

この保存状況をめぐる説明の違いも、騒動の重要な論点です。

製造から販売までの日数が長くなるほど、温度管理や製品ごとの保存条件を正確に管理する必要があります。

食品の安全性は「焼き菓子だから長持ちする」「添加物を使っていないから安心」というイメージだけでは判断できません。

【目黒区保健所の調査結果と行政処分見送り】食中毒と断定できなかった理由

2023年12月15日、目黒区保健所は販売店に対して調査結果を説明しました。

結論は、食中毒と断定できないというものでした。

この結果が発表されると、SNSなどで大きな話題になった騒動は、別の疑問へと移っていきました。

「糸を引くマフィンがあったのに、なぜ食中毒ではないのか」

「体調不良を訴えた人がいたのに、なぜ行政処分がないのか」

その理由を理解するには、腐敗と食中毒の違いを知る必要があります。

腐敗した食品と食中毒菌は同じではない

食品の腐敗とは、食品中で微生物が増殖し、臭いや味、見た目などが変化する現象です。

一方、食中毒は、有害な微生物やその毒素などが原因で健康被害が起きることを指します。

腐敗に関係する微生物が必ず食中毒を引き起こすわけではありません。

逆に、食中毒を引き起こす細菌の中には、食品の見た目や臭いをほとんど変化させないものもあります。

この違いについて、管理栄養士の成田崇信氏は2023年12月20日のJ-CASTニュースの取材で解説しています。

検査結果から分かったことと分からなかったこと

今回の調査結果を整理すると、次のようになります。




検査対象
公表済み

7人
食中毒患者の疑いがある購入者の検体


食品検体
15検体
購入者から提供されたマフィン


検査結果
検出されず
食品従事者、購入者7人、マフィン15検体から食中毒菌・ウイルスは検出されなかった


調査対象者の健康状態
入院・重症者なし
販売店が2023年12月19日に公表した調査結果

出典:Honey×Honey xoxoの2023年12月19日付公表資料

ただし、この結果から、販売された3,008個すべてに食中毒菌が存在しなかったと断言することはできません。

検査された食品は15検体であり、販売された商品すべてを検査したわけではないためです。

J-CASTニュースの取材に対して、専門家も、回収されなかった商品がある以上、検査で検出されなかったことと、対象商品全体に原因となる微生物が存在しなかったことは同義ではないと説明しています。

体調不良はなぜ起きたのか

原因については、専門家から複数の可能性が示されています。

1. 腐敗した食品を口にしたと認識したことによる心因性の体調不良。
2. 微生物が作り出した成分などによる胃腸への刺激。
3. 検査対象にならなかった食品に、食中毒を引き起こす細菌が存在していた可能性。

これらは専門家が挙げた可能性であり、今回の購入者の症状について確定した原因ではありません。

なぜ販売店に行政処分が行われなかった?

2023年12月19日、弁護士ドットコムニュースは、目黒区保健所が販売店への行政処分を見送ったと報じました。

大きな理由は、調査で食中毒の原因となる菌が見つからず、マフィンと健康被害との因果関係を食中毒として確定できなかったことです。

ただし、ここで重要なのは、食品衛生法が腐敗した食品の販売を禁止している点です。

食品衛生法第6条では、腐敗・変敗した食品などの販売や販売目的での製造・保存を禁止しています。

しかし、目黒区保健所の担当者は、腐敗の具体的な数値基準などがなく、何をもって腐敗と判断するかが難しいと説明しました。

弁護士ドットコムニュースによれば、腐敗を理由とした同様の行政処分は、東京都内では1978年のいなりずしによる食中毒事例以降、45年間実施されていなかったとのことです。

したがって、行政処分が見送られたことは、商品の製造・保存方法に問題がなかったという意味ではありません。

食中毒の立証と、食品の衛生管理上の問題を評価することは、別の問題だったのです。

【Honey×Honey xoxoの現在】閉業後に営業再開した?公式発表を確認

騒動後の販売店についても、検索されることの多いテーマです。

2023年11月21日、Honey×Honey xoxoは公式の事故対応サイトを開設し、謝罪と今後の対応を公表しました。

その中で、すでに閉業していること、営業再開の予定がないことを明らかにしています。

閉業後の公式発表で明らかになったこと

販売店が公表した内容には、以下の項目があります。

- 販売したマフィンの廃棄依頼
- 購入者への返金対応
- 健康被害があった人への保健所への連絡依頼
- 保健所および警察の指導に従った対応
- 店舗の閉業と営業再開予定がないこと

また、販売店は食品の製造・販売業者として、食品衛生に関する知識や理解、対策が不十分だったと反省の意を示しました。

2026年現在も営業再開の発表は確認できない

2026年10月30日時点で確認できる販売店の公式事故対応サイトには、2023年11月21日の閉業発表と、同年12月19日の保健所調査結果が掲載されています。

少なくとも公開されている公式発表上、営業再開を告知した事実は確認できません。

さらに、販売店は第三者が無断で公開した、あたかも営業中であるかのように見えるウェブサイトについて、虚偽の情報であると注意を促していました。

このため、検索結果に店名が表示されたり、営業中のような情報が見つかったりしても、それだけで営業再開したと判断することはできません。

2026年現在の状況を整理すると、騒動後に閉業し、公式発表では営業再開の予定はないというのが確認できる情報です。

【マフィン食中毒死亡】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:デザフェスのマフィンを食べて死亡した人はいますか?

死亡者が発生したという公表情報は確認されていません。専門機関の解説でも、今回の事案では死者や重篤患者は出ていないとされています。

Q2:マフィンはなぜCLASSⅠに指定されたのですか?

異臭や糸引きなどの食品の異常に加え、購入者から健康被害の申し出があったためです。CLASSⅠは重篤な健康被害や死亡につながる可能性を示す危険度区分で、実際の死亡事故を意味しません。

Q3:目黒区保健所は食中毒を認定したのですか?

いいえ。2023年12月15日に販売店へ伝えられた調査結果は、食中毒と断定できないというものでした。食品従事者、購入者7人、マフィン15検体から食中毒菌やウイルスは検出されませんでした。

Q4:マフィンが糸を引いた原因は何ですか?

微生物の増殖が考えられ、専門家はバチルス属の可能性を指摘しています。ただし、今回の検査で原因菌が特定されたわけではありません。

Q5:なぜ販売店は行政処分を受けなかったのですか?

食中毒の原因菌が検出されず、食中毒と断定できなかったことが大きな理由です。腐敗食品の販売は禁止されていますが、腐敗の判断基準が難しいという問題もありました。

Q6:販売店Honey×Honey xoxoは現在も営業していますか?

2023年11月21日に閉業を発表し、営業再開の予定はないと公表しています。2026年10月時点でも、公式事故対応サイトに営業再開の発表は確認できません。

まとめ:マフィン食中毒死亡の真相とCLASSⅠ騒動から学ぶべきこと

2023年11月のデザフェスマフィン騒動は、9種類、合計3,008個のマフィンが自主回収対象となり、厚生労働省によってCLASSⅠに指定された食品事故でした。

しかし、騒動の経緯を整理すると、ネット上で広まった情報と公表された調査結果には、区別すべき点があります。

- 死亡者について: 今回の事案で死亡が確認されたという公表情報はない。
- 健康被害について: 購入者から腹痛や嘔吐などの申し出があった。
- 検査結果について: 食品従事者、購入者7人、食品15検体から食中毒菌・ウイルスは検出されなかった。
- CLASSⅠについて: 実際の死亡者数ではなく、健康被害の重大性を想定した危険度区分。
- 行政処分について: 食中毒と断定できず、行政処分は見送られた。
- 販売店について: 2023年11月に閉業し、営業再開の予定はないと公表した。

この騒動から見えてくるのは、食品の安全性を考える際、見た目や味だけでなく、製造から販売までの温度管理、保存期間、衛生管理が欠かせないということです。

また、無添加や砂糖控えめという商品イメージと、食品としての保存性・安全性は別々に評価しなければなりません。

食品事故の情報を見るときも、CLASSⅠという危険度表示だけで死亡事故と判断したり、検査で菌が出なかったという結果だけで食品の安全性を断定したりしないことが大切です。

マフィン騒動の本質は、死亡事故が起きた事件ではなく、食品の異常と健康被害の申し出をきっかけに、大規模な自主回収と衛生管理の問題が表面化した事案だったという点にあります。 (出典: マフィン 食中毒 死亡(Yahoo!ニュース))

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