【2026年の北海道最賃はいくら?】改定額・発効日・前年との違い
2026年度の北海道最低賃金は、次のとおり決定されています。
2026年10月1日からの北海道最低賃金
前年の最低賃金
1,075円
今回の引き上げ額
+56円
引き上げ率
約5.21%
発効日
2026年10月1日
今回の改定によって、時給1,075円で働いていた人が同じ労働時間を維持する場合、最低賃金に合わせるだけでも時給56円の引き上げが必要になります。
月160時間働く人なら、単純計算で月額8,960円の差です。年間では107,520円となり、家計への影響も小さくありません。
2026年度の改定が決まるまでの流れ
北海道の改定は、北海道地方最低賃金審議会での審議を経て決定されました。
- 2026年7月1日:北海道労働局長が最低賃金の改正を諮問。
- 2026年8月4日:北海道地方最低賃金専門部会が1,131円への改定を全会一致で決定。
- 2026年8月5日:北海道地方最低賃金審議会が答申書を提出。
- 2026年8月21日:異議申出について審議し、当初の答申どおりの決定が適当と回答。
- 2026年9月1日:北海道労働局長が1,131円への改定を官報公示。
- 2026年10月1日:新しい最低賃金が発効。
注目したいのは、8月4日の専門部会で全会一致の決定に至った点です。その後、異議申出に関する審議を経て正式決定されました。
全国の最低賃金と比べると?
2026年度の全国加重平均額は1,177円です。前年の1,121円から56円引き上げられました。
北海道の1,131円は全国平均を46円下回っています。ただし、全国加重平均は各都道府県の労働者数などを反映した数値であり、単純な都道府県別順位とは異なります。
全国的にも大幅な引き上げが進んだ年度であり、北海道だけの特殊な動きではありません。
【北海道の最低賃金の推移】歴代の改定額を2021〜2026年で比較
北海道の最低賃金は、長期的に引き上げが続いています。
厚生労働省と北海道労働局の公表資料を確認すると、2021年度から2026年度までの6年間で、時給889円から1,131円になりました。
北海道最低賃金の歴代一覧
| 年度 | 最低賃金 | 前年からの引き上げ |
|---|---|---|
| 2021年度 | 889円 | +28円 |
| 2022年度 | 920円 | +31円 |
| 2023年度 | 960円 | +40円 |
| 2024年度 | 1,010円 | +50円 |
| 2025年度 | 1,075円 | +65円 |
| 2026年度 | 1,131円 | +56円 |
出典:北海道労働局「北海道の地域別最低賃金額の推移」。引き上げ額は各年度の時間額の差。
この推移から読み取れるのは、引き上げ額が段階的に大きくなっていることです。
2021年度から2026年度までの上昇額は242円。約27.2%の上昇となっています。
特に2025年度は65円の引き上げで、今回の56円を上回りました。2026年度も大きな改定ですが、前年より引き上げ幅が小さくなっています。
改定に関係する機関と役割
北海道最低賃金の決定には、複数の行政機関・審議会が関係しています。
| 主体・時期 | 内容 | 役割・関係 |
|---|---|---|
| 中央最低賃金審議会・7月28日 | 引き上げ目安を提示 | 全国的な基準を示す |
| 北海道地方最低賃金審議会・8月4日 | 1,131円を答申 | 北海道の改定案を審議 |
| 北海道地方最低賃金審議会・8月21日 | 異議申出を審議 | 改定案を再確認 |
| 北海道労働局・9月1日 | 官報公示 | 正式な改定を決定 |
| 厚生労働省 | 全国一覧を公表 | 都道府県ごとの金額と発効日を案内 |
この仕組みで重要なのは、中央最低賃金審議会が示す目安と、各都道府県で実際に決定される金額は同じものではないという点です。地域の状況を踏まえて地方最低賃金審議会が審議します。
【誰に適用される?】パート・アルバイト・学生・派遣社員の注意点
北海道の最低賃金1,131円は、北海道内の事業場で働く原則すべての労働者に適用されます。
正社員だけが対象ではありません。
- パートタイマー
- アルバイト
- 大学生・高校生のアルバイト
- 契約社員
- 臨時雇用の労働者
- 短時間勤務の従業員
- 外国人労働者
雇用形態や年齢、学生かどうかによって、地域別最低賃金が免除されるわけではありません。試用期間や研修期間という名称だけで最低賃金を下回る賃金にできるわけでもありません。
パート・アルバイトは時給1,131円以上が基準
例えば、札幌市内の飲食店でアルバイトをする大学生の場合、基本的な時給が1,100円なら、2026年10月1日以降は最低賃金を31円下回ります。
本人が納得して応募した場合でも、最低賃金を下回る契約は有効になりません。
また、勤務時間が短いことを理由に最低賃金を下げることもできません。
派遣社員は派遣先の最低賃金が適用される
派遣社員の場合は、派遣元企業の所在地ではなく、原則として派遣先の事業場に適用される最低賃金が基準です。
例えば、道外の派遣会社と契約していても、実際の勤務先が北海道なら、北海道の最低賃金が適用されます。
産業別最低賃金にも注意
北海道には、一般的な地域別最低賃金とは別に、特定の産業を対象とした産業別最低賃金があります。
両方が適用される場合は、原則として高い方の金額が基準です。
2026年12月1日には、北海道の次の4業種で特定最低賃金の改定が予定されています。
| 対象産業 | 12月1日からの時間額 |
|---|---|
| 処理牛乳・乳飲料、乳製品、砂糖・でんぷん糖類製造業 | 1,160円 |
| 鉄鋼業 | 1,221円 |
| 電子部品・デバイス・電気機械器具等製造業 | 1,174円 |
| 船舶製造・修理業、船体ブロック製造業 | 1,162円 |
これは10月30日時点では、まだ発効前の改定です。対象となる業種や労働者の範囲には細かな条件があるため、職種名だけで判断せず、事業場の産業分類も確認してください。
【月給はいくら必要?】最低賃金1,131円を月収に換算
最低賃金は時給で公表されていますが、月給制で働く正社員や契約社員にも適用されます。
そのため、月給制の人は、基本給などの対象賃金を1時間当たりに換算して確認する必要があります。
厚生労働省が示す計算式は次のとおりです。
月給制の最低賃金チェック
月160時間働く場合の計算例
月平均所定労働時間を160時間と仮定すると、
1,131円 × 160時間 = 180,960円
したがって、この条件で最低賃金を満たすためには、対象となる月給が180,960円以上必要です。
| 月間労働時間 | 必要な対象賃金 |
|---|---|
| 80時間 | 90,480円 |
| 100時間 | 113,100円 |
| 120時間 | 135,720円 |
| 160時間 | 180,960円 |
| 約173.33時間 | 約196,040円 |
いずれも単純計算による税引き前の金額。実際の判定では契約上の月平均所定労働時間と対象賃金を使用します。
ここで気をつけたいのは、月給制の最低賃金に全国共通の固定月額があるわけではないことです。
年間休日や勤務日数、1日の所定労働時間が違えば、月平均所定労働時間も変わります。
月給20万円なら必ず問題ない?
必ずしもそうではありません。
例えば、対象となる月給が20万円でも、月平均所定労働時間が180時間なら、
200,000円 ÷ 180時間 = 約1,111円
となり、1,131円を下回ります。
一方、月平均所定労働時間が170時間なら約1,176円となり、最低賃金を上回ります。
つまり、給与総額だけで判断するのではなく、労働時間と対象賃金をセットで確認することが大切です。
2025年と比較すると月収はいくら増える?
2025年度の1,075円から2026年度の1,131円への引き上げ幅は56円です。
月160時間勤務の場合、最低賃金に合わせた賃金の差は次のようになります。
- 改定前:1,075円 × 160時間=172,000円
- 改定後:1,131円 × 160時間=180,960円
- 差額:月8,960円
年間12か月同じ条件で働くと、差額は107,520円です。
ただし、これは最低賃金付近の賃金で働く人が改定額に合わせて引き上げられた場合の比較です。もともと1,300円など、最低賃金を上回る時給で働いている人の給与が、自動的に56円上がる制度ではありません。
【給与明細で確認】交通費・残業代は最低賃金に含まれる?
給与明細を確認するときに、特に間違いやすいのが手当の扱いです。
最低賃金の判定に使用するのは、毎月支払われる基本的な賃金です。
実際に振り込まれる金額が最低賃金相当額を超えていても、対象外の手当を含めた結果にすぎなければ、基準を満たしていない可能性があります。
最低賃金の計算に含まれないもの
厚生労働省が示している主な除外項目は次のとおりです。
| 賃金・手当 | 最低賃金の計算 |
|---|---|
| 基本給 | 原則として含む |
| 職務手当・技能手当 | 支給条件によって含む |
| 通勤手当・交通費 | 含まない |
| 家族手当 | 含まない |
| 精皆勤手当 | 含まない |
| 賞与 | 含まない |
| 結婚手当など臨時の賃金 | 含まない |
| 時間外割増賃金 | 含まない |
| 休日割増賃金 | 含まない |
| 深夜割増部分 | 含まない |
特に重要なのが、交通費です。
例えば、基本給が月17万円、通勤手当が1万円、月160時間勤務の場合、給与総額は18万円です。
しかし、最低賃金の判定では通勤手当の1万円を除外します。
170,000円 ÷ 160時間 = 1,062.5円
この場合、1,131円を下回るため、最低賃金を満たしていません。
残業代の計算方法は?
最低賃金と残業代は、別々に考える必要があります。
法定時間外労働には、通常の賃金に25%以上の割増率を加えた賃金が必要です。
仮に通常の時給が最低賃金と同じ1,131円なら、法定時間外労働の基本的な計算は次のとおりです。
通常の時間給
法定時間外労働(25%以上割増)
さらに、法律上の休日労働は35%以上、午後10時から午前5時までの深夜労働は25%以上の割増が必要です。
法定時間外労働と深夜労働が重なる場合は、原則50%以上の割増となります。
重要なのは、残業代を多く支給しているからといって、通常の労働時間に対する賃金が最低賃金を下回っていてよいわけではないことです。
給与明細で確認する5つのポイント
実際に自分の賃金を確認するときは、次の順番でチェックすると分かりやすくなります。
1. 勤務地が北海道内か確認する。
2. 自分の業種に特定最低賃金が適用されないか調べる。
3. 基本給と最低賃金の対象となる手当を確認する。
4. 交通費、家族手当、残業代などを除外する。
5. 対象賃金を所定労働時間で割り、適用される最低賃金と比較する。
また、2026年10月1日が給与計算期間の途中にある場合でも、10月1日以降の労働には新しい最低賃金が適用されます。
「給与締め日が10月末だから11月分から変更する」という対応では認められません。
【最低賃金未満は違法】罰則・相談先と引き上げの理由
最低賃金を下回る賃金で働かせることは、最低賃金法に関わる問題です。
労働者と会社が合意していたとしても、最低賃金を下回る部分の契約は無効となり、法律上の最低賃金額と同じ定めをしたものとみなされます。
最低賃金を下回った場合の罰則
地域別最低賃金に違反した場合、使用者には50万円以下の罰金が定められています。
また、適用される特定最低賃金を支払わなかった場合には、労働基準法に基づき30万円以下の罰金が定められています。
さらに、会社は不足している賃金の差額を労働者に支払わなければなりません。
最低賃金を下回っていたらどこに相談する?
給与明細を確認して疑問が生じた場合は、勤務先の所在地を管轄する労働基準監督署や北海道労働局に相談できます。
北海道労働局の問い合わせ先は次のとおりです。
北海道労働局 労働基準部 賃金室
内線3533
相談時に用意するとよいもの
- 雇用契約書・労働条件通知書
- 給与明細
- 出勤日・労働時間の記録
- 就業規則や賃金規程(入手できる場合)
相談するときは、単に「時給が低い」と伝えるだけでなく、対象となる手当や実際の労働時間を整理しておくと、状況を説明しやすくなります。
なぜ北海道の最低賃金は引き上げられるのか?
最低賃金の改定は、単純に全国一律の金額を決めて各都道府県に当てはめる仕組みではありません。
最低賃金法第9条では、主に次の3つの要素を考慮することが定められています。
- 労働者の生計費
- 労働者の賃金
- 通常の事業における賃金支払能力
また、労働者の生計費を考慮するときには、生活保護施策との整合性にも配慮することになっています。
2026年度については、中央最低賃金審議会が7月28日に改定の目安を示しました。
目安は地域区分によって54円、56円、56円とされ、最終的に全国47都道府県で54〜65円の引き上げが答申されました。
全国加重平均は1,177円となり、前年から56円上昇しています。厚生労働省によると、この56円という引き上げ幅は、1978年度に目安制度が始まって以降で2番目の高さです。
北海道でも、物価や生活費、賃金水準、事業者の支払能力などを踏まえて審議が行われ、56円の引き上げが決定しました。
ただし、最低賃金の引き上げは、生活費の上昇分がすべて補われることを意味するものではありません。労働者にとっては手取り額、企業にとっては人件費や価格転嫁への対応も引き続き課題になります。
【北海道の最低賃金に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:北海道の最低賃金は2026年10月からいくらになりましたか?
A1:2026年10月1日から時給1,131円です。前年の1,075円から56円引き上げられました。
Q2:高校生や大学生のアルバイトにも1,131円が適用されますか?
A2:はい。学生や高校生であっても、原則として北海道の地域別最低賃金が適用されます。年齢や学生という理由だけで最低賃金を下回る時給にはできません。
Q3:交通費込みで時給1,131円なら問題ありませんか?
A3:いいえ。通勤手当は最低賃金の計算対象に含まれません。交通費を除いた対象賃金を時間換算して確認する必要があります。
Q4:月給制の場合、最低いくら必要ですか?
A4:月平均所定労働時間によって異なります。例えば月160時間勤務なら、対象賃金は月180,960円以上が目安です。
Q5:最低賃金の改定日に給与締め日が重なっている場合はどうなりますか?
A5:発効日以降の労働については、新しい最低賃金が適用されます。給与締め日や支払日が翌月でも、適用を先送りすることはできません。
Q6:北海道の最低賃金は2026年12月にも上がりますか?
A6:一般的な地域別最低賃金1,131円について、12月の再改定が公表されているわけではありません。ただし、特定の4業種については2026年12月1日から産業別最低賃金の改定が予定されています。
まとめ:北海道の最低賃金は1,131円、給与明細の確認が重要
2026年の北海道最低賃金は、10月1日から時給1,131円になりました。前年から56円の引き上げで、パートやアルバイト、学生、正社員など、幅広い労働者に関係する改定です。
今回の改定で押さえておきたいポイントは次の3つです。
- 時給1,131円が2026年度の基本基準。
- 月給制は月平均所定労働時間で割って確認する。
- 交通費や残業代などを除外して最低賃金を判定する。
さらに、2026年12月1日には北海道の一部産業で特定最低賃金の改定が予定されています。製造業などの対象事業場で働く人は、地域別最低賃金だけでなく産業別最低賃金も確認しておきましょう。
【プロの結論】
最低賃金を確認する際に最も大切なのは、給与明細に記載された総支給額だけで判断しないことです。
時給制なら通常の時給、月給制なら対象賃金と所定労働時間、手当がある場合はその性質まで確認する必要があります。
2026年10月以降の給与について、時給換算で1,131円を下回っていないかを確認することが、働く人にとっても事業者にとっても最初のチェックポイントです。 (出典: 北海道 最 賃(Yahoo!ニュース))